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移動式クレーンを使っての作業、つり上げ荷重と定格荷重の違いは

移動式クレーン

クレーン則第1条でそれぞれ定義づけられています。まず、『つり上げ荷重』ですが、ジブの長さを最短にして、傾斜角を最大(垂直に近い状態)にしたときに、つることのできる最大の荷重をいいます。この場合の荷重には、フック、グラブバケットなどのつり具の重量が含まれます。

次に、『定格荷重』とは、ジブの長さとジブの傾斜角度の組み合わせにより定格荷重が決まる。この場合の荷重には、フック、グラブバケットなどのつり具の重量に相当する荷重を控除した荷重をいう。

つまり、『定格荷重』は『つり上げ荷重』と違い、移動式クレーンのジブの長さや角度に応じて、多様に変化することになる。

この定格荷重が変化することを忘れて、移動式クレーンの傾斜角度やジブの長さを変えたために、つり荷が定格荷重を上回り、クレーンが転倒するという災害につながる。

そのため、クレーン則第69条では、「移動式クレーンにその荷重を超える荷重をかけて使用してはならない」とされている。

さらに、クレーン則第70条では、『移動式クレーンについては、移動式クレーンの明細書に記載されているジブの角度(つり上げ荷重が3トン未満の移動式クレーンにあっては、これを製造した者が指定したジブの角度)の範囲を超えて使用してはならない』としています。

また、クレーン則第70条の2で『事業者は、移動式クレーンを用いて作業を行うときは、移動式クレーンの運転者及び玉掛けをする者が当該移動式クレーンの定格荷重を常時知ることができるよう、表示その他の措置を講じなければならない』としている。

なお、移動式クレーンを用いる作業のために、荷をつらずに、ジブを起伏、旋回させることも当該作業に含まれる。

以上から、移動式クレーンに掛かる荷重がアウトリガーの張り出し幅に応じた定格荷重を下回ることが条件となります。

安衛則第161条によると、
1 積卸しは、平坦で堅固な場所においておこなうこと
2 道板を使用する時は、十分な長さ、幅及び強度を有する道板を用い、適当なこう配で確実に取り付けること
3 盛土、架設台等を使用する時は、十分な幅、強度及びこう配を確保すること

2に出てきた「十分な」と「適当なこう配」について通達(昭47・9・18 基発第601号の 1)では、道板は車両系建設機械の重量を支えることが可能な積載荷重を有し、さらにクローラーの幅以上の幅を有することが必要になります。

なお、「安全な範囲のこう配」は、通達に基準はありませんが、車両系建設機械のテキストなどには「こう配を15度以下にする」との基準があります。

さらに、移送作業では、作業指揮者を定め、作業区域内への関係作業者以外の立入りを禁止する。合図を行う者を定めて、その者の合図によって移送作業を行うなどの措置も必要となります。

「移動式クレーン」に関するよくある質問