移動式クレーンで作業をする場合、どのような場合に鉄板を敷くのか

クレーン則第70条の3では、地盤が軟弱であったり、地下の工作物が損壊するおそれのあること等の場所では、移動式クレーンの使用を禁止しています。なお、通達(平4・8・24 基発第480号)では、地盤が軟弱であったり、地下の工作物が損壊するおそれのあること等の等には法肩の崩壊が含まれる。ただし、転倒防止のための必要な広さ、強度を有する鉄板などを敷設した場合に限って移動式クレーンの使用が認められています。

同通達で、「必要な広さ及び強度を有する鉄板等」とは、沈下することがない「広さ」と変形しない「強度」が求められています。
さらに同通達では、「鉄板等の等には、敷板又は敷角が含まれる。」

また、クレーン則第70条の4では、「事業主は、アウトリガーを使用する移動式クレーンを用いて作業を行う時は、当該アウトリガーを鉄板等の上で当該移動式クレーンが転倒するおそれのない位置に設置しなければならない」と定めています。
同通達で、「転倒するおそれのない位置」とは、「鉄板等の中央部分をいう。」

クレーン組立作業で作業指揮者を選任する義務はあるのか

クレーン則第33条第1項で、クレーンの組立てまたは解体作業を行う時の措置として、
1 作業を指揮する者を選任して、その者の指揮のもとに作業を実施
2 作業を行う区域に関係労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示する
3 強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想される時は、当該作業に労働者を従事させない

また、同条第2項では、1の「作業を指揮する者」に行わせなければならない事項として、
1 作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を指揮する
2 材料の欠点の有無並びに器具及び工具の機能を点検し、不良品を取り除くこと
3 作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること
などが掲げられています。

フックの外れ止め装置の使用義務はあるのか

クレーン則第64条では『移動式クレーンについては、厚生労働大臣の定める基準(移動式クレーンの構造に係る部分に限る)に適合するものでなければ使用してはならない』となっています。

ここでいう『厚生労働大臣の定める基準』とは、移動式クレーン構造規格のことですから、外れ止め装置を取り付けていない移動式クレーンは、使用することが出来ないということになります。

そして、クレーン則第66条の3で、『事業者は移動式クレーンを用いて荷をつり上げるときは、外れ止め装置を使用しなければならない』と規定しています。

移動式クレーンを使っての作業、つり上げ荷重と定格荷重の違いは

クレーン則第1条でそれぞれ定義づけられています。まず、『つり上げ荷重』ですが、ジブの長さを最短にして、傾斜角を最大(垂直に近い状態)にしたときに、つることのできる最大の荷重をいいます。この場合の荷重には、フック、グラブバケットなどのつり具の重量が含まれます。

次に、『定格荷重』とは、ジブの長さとジブの傾斜角度の組み合わせにより定格荷重が決まる。この場合の荷重には、フック、グラブバケットなどのつり具の重量に相当する荷重を控除した荷重をいう。

つまり、『定格荷重』は『つり上げ荷重』と違い、移動式クレーンのジブの長さや角度に応じて、多様に変化することになる。

この定格荷重が変化することを忘れて、移動式クレーンの傾斜角度やジブの長さを変えたために、つり荷が定格荷重を上回り、クレーンが転倒するという災害につながる。

そのため、クレーン則第69条では、「移動式クレーンにその荷重を超える荷重をかけて使用してはならない」とされている。

さらに、クレーン則第70条では、『移動式クレーンについては、移動式クレーンの明細書に記載されているジブの角度(つり上げ荷重が3トン未満の移動式クレーンにあっては、これを製造した者が指定したジブの角度)の範囲を超えて使用してはならない』としています。

また、クレーン則第70条の2で『事業者は、移動式クレーンを用いて作業を行うときは、移動式クレーンの運転者及び玉掛けをする者が当該移動式クレーンの定格荷重を常時知ることができるよう、表示その他の措置を講じなければならない』としている。

なお、移動式クレーンを用いる作業のために、荷をつらずに、ジブを起伏、旋回させることも当該作業に含まれる。

以上から、移動式クレーンに掛かる荷重がアウトリガーの張り出し幅に応じた定格荷重を下回ることが条件となります。

安衛則第161条によると、
1 積卸しは、平坦で堅固な場所においておこなうこと
2 道板を使用する時は、十分な長さ、幅及び強度を有する道板を用い、適当なこう配で確実に取り付けること
3 盛土、架設台等を使用する時は、十分な幅、強度及びこう配を確保すること

2に出てきた「十分な」と「適当なこう配」について通達(昭47・9・18 基発第601号の 1)では、道板は車両系建設機械の重量を支えることが可能な積載荷重を有し、さらにクローラーの幅以上の幅を有することが必要になります。

なお、「安全な範囲のこう配」は、通達に基準はありませんが、車両系建設機械のテキストなどには「こう配を15度以下にする」との基準があります。

さらに、移送作業では、作業指揮者を定め、作業区域内への関係作業者以外の立入りを禁止する。合図を行う者を定めて、その者の合図によって移送作業を行うなどの措置も必要となります。

移動式クレーンのアウトリガーを最大限に張り出せないときの措置は

クレーン則第70条の5により、アウトリガーは最大限に張り出すことが原則となります。しかし同条のただし書きの部分で、作業上のスペース上、移動式クレーンのアウトリガーを最大限に張り出すことができない場合の措置として「張り出し幅に応じた定格荷重を下回ることが確実に見込まれるときは、この限りでない」とあります。この点について通達では、
1 アウトリガーの張り出し幅に応じて自動的に定格荷重が設定される過負荷防止装置を備えた移動式クレーンを使用するとき
2 アウトリガーの張り出し幅を過負荷防止装置の演算要素として入力する過負荷防止装置を備えた移動式クレーンにおいて、実  際のアウトリガーの張り出し幅と同じまたは張り出し幅の少ない状態に過負荷防止装置をセットして作業を行うとき
3 移動式クレーン明細書、取扱説明書等にアウトリガーの最大張り出しできないときの定格荷重が示されており、実際のアウト  リガーの張り出し幅と同じまたは張り出し幅の少ないときの定格荷重表または性能曲線により、移動式クレーンにその定格荷  重を超える荷重が掛かることのない事を確認したとき
なお、移動式クレーンを用いる作業のために、荷をつらずに、ジブを起伏、旋回させることも当該作業に含まれる。

以上から、移動式クレーンに掛かる荷重がアウトリガーの張り出し幅に応じた定格荷重を下回ることが条件となります。

安衛則第161条によると、
1 積卸しは、平坦で堅固な場所においておこなうこと
2 道板を使用する時は、十分な長さ、幅及び強度を有する道板を用い、適当なこう配で確実に取り付けること
3 盛土、架設台等を使用する時は、十分な幅、強度及びこう配を確保すること

2に出てきた「十分な」と「適当なこう配」について通達(昭47・9・18 基発第601号の1)では、道板は車両系建設 機械の重量を支えることが可能な積載過重を有し、さらにクローラーの幅以上の幅を有することが必要になります。

なお、「安全な範囲のこう配」は、通達に基準はありませんが、車両系建設機械のテキストなどには「こう配を15度以下にする」との基準があります。

さらに、移送作業では、作業指揮者を定め、作業区域内への関係作業者以外の立入りを禁止する。合図を行う者を定めて、その者の合図によって移送作業を行うなどの措置も必要となります。

移動式クレーンの作業で強風時の作業中止とはどのような場合か

クレーン則第74条の3で、「強風のため、移動式クレーンに係る作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業を中止しなければならない」と定めています。ここで「強風とは、10分間の平均風速が毎秒10m以上の強風が吹いているときは移動式クレーンに係る作業を中止しなければならない。

また、通達で危険が予想されるときとは、「風によりつり荷が振れ、または回転し、労働者に危険を及ぼす恐れがあるとき、定格荷重近くの荷をつり上げる作業で風圧によりつり荷の半径がが増大し定格荷重を超える荷重がかかる恐れのあるとき等」をいいます。

また、クレーン則第74条の4において「労働者の危険を防止するための措置」として、移動式クレーンにおいてジブを堅固な物に固定すること、ジブを収納すること等のほか、移動式クレーンの転倒により危険が及ぶ恐れのある範囲内を立ち入り禁止とする措置が含まれている。

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