ドラッグショベルの移送作業を行う安全面のポイントは

安衛則第161条によると、
①積卸しは、平坦で堅固な場所においておこなうこと
②道板を使用する時は、十分な長さ、幅及び強度を有する道板を用い、適当なこう配で確実に取り付けること
③盛土、架設台等を使用する時は、十分な幅、強度及びこう配を確保すること

②に出てきた「十分な」と「適当なこう配」について通達(昭47・9・18 基発第601号の1)では、道板は車両系建設機械の重量を支えることが可能な積載過重を有し、 さらにクローラーの幅以上の幅を有することが必要になります。

なお、「安全な範囲のこう配」は、通達に基準はありませんが、車両系建設機械のテキストなどには「こう配を15度以下にする」との基準があります。

さらに、移送作業では、作業指揮者を定め、作業区域内への関係作業者以外の立入りを禁止する。合図を行う者を定めて、その者の合図によって移送作業を行うなどの措置も必要となります。

フォークリフト作業には必ず作業指揮者が必要か

フォークリフと運転手には技能講習(最大荷重1トン以上)や特別教育が必要になります。また、フォークリフトは『車両系荷役運搬機械等』に含まれるため『作業計画』の作成が必要です。

『作業指揮者の選任』に就いて、安衛則第151条の4において「車両系荷役運搬機械等を用いて作業を行うときは、当該作業の指揮者を定め、その者に作業計画に基づき作業の指揮を行わせなければならない』となっています。

しかし、通達(昭53・2・10 基発第78号)では、単独でフォークリフト作業を行う場合は、作業指揮者を選任しなくてもよく。また、床面からの高さが2m以上のはいのはい付け、はい崩しの作業を行うときは、はい作業主任者を選任しなければなりませんが、この者が作業指揮者をあわせて行える場合は、作業指揮者を兼ねることがあります。

フォークリフトのツメにかごを設置して作業者を乗せて昇降させてもよいか

安衛則第151条の14により、主たる用途外の使用の制限を定めています。
つまり、主たる用途以外の用途としての『荷のつり上げ』や『労働者の昇降』などを禁止しています。しかし、『労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない』とあります。

通達(昭53・2・10 基発第78号)で、『労働者に危険を及ぼすおそれのないときとは、フォークリフト等の転倒のおそれがない場合で、パレット等の周囲に十分な高さの手すり若しくはわく等を設け、かつ、パレット等をフォークに固定すること又は労働者に命綱を使用させること等の措置を講じたとき』としています。

貨物自動車の荷台に搭乗し移動することは禁止なのか

安衛則第151条の72で、『あおりのない』貨物自動車の荷台に労働者を乗せて走行することは禁止されています。

しかし、安衛則第151条73で、『あおりのある』貨物自動車であって、一定の安全措置を講じた場合に限り、荷台に労働者を乗せての走行を認めています。具体的な措置として、
①荷の移動による労働者の危険を防止するため、移動により労働者に危険を及ぼすおそれのある荷について、歯止め、すべり止めなどの措置を講ずること
②荷台に乗車させる労働者に次の事項を行わせること
・あおりを確実に閉じること
・あおりその他貨物自動車の動揺により労働者が墜落するおそれのある箇所に乗らないこと
・労働者の身体の最高部が運転者席の屋根の高さ(荷台上の荷の最高部が運転者席の屋根の高さを越えるときは、当該荷の最高部)を超え て乗らないこと

つまり、あおりのある貨物自動車で、かつ上記のような墜落防止措置を講じた場合に限り、荷台に労働者を乗せて走行が可能といえる。

貨物自動車からの荷の積み卸し作業で昇降設備を設けなければならない要件は

安衛則第151条の67、同条2項により、最大積載量が5トン以上の貨物自動車での荷の積み卸し作業を行う場合には『昇降設備』の設置が必要となり、作業者もこの昇降設備を使用して作業を行わなければなりません。

そこで、どのようなものが『昇降設備』に該当するかの特段の定めはありません。しかし、「安全に昇降するため」の条件を満たすことが必要です。

また、安衛則第151条の74、同条第2項において、最大積載量が5トン以上の貨物自動車での荷の積み卸しを行うときは保護帽の着用が必要になります。

ただし、通達(昭43・1・13 安発第2号)で、労働者が積み卸し作業等のために荷台又は積み荷の上に乗る必要がない場合等のように労働者が墜落による危害を受けるおそれがない場合には保護帽の着用は除外されています。

フォークリフトの作業計画とは

安衛則第151条の2で、車両系荷役運搬機械等とは、
①フォークリフト  ②ショベルローダー  ③フォークローダー  ④ストラドルキャリヤー ⑤不整地運搬車  ⑥構内運搬車  ⑦貨物自動車 があります。

安衛則第151条の3第1項では、当該作業に係る場所の広さ及び地形、当該車両系荷役運搬機械等の種類および能力、荷の種類及び形状等に適する作業計画を定め、かつ、当該作業計画により作業を行わなければならないと定めています。

さらに、安衛則第151条の3第3項では、作業計画を関係労働者に周知させなければなりません。この周知について通達で、口頭による周知で差し支えないが、内容が複雑な場合等で口頭による周知が困難なときは、文書の配布、掲示等によることとされています。

フォークリフト始業前の具体的な点検項目は

安衛側第151条の25によると、
①制御装置及び操縦装置の機能
②荷役装置及び油圧装置の機能
③車輪の異常の有無(タイヤを含む)
④前照燈、後照燈、方向指示器及び警報装置の機能

フォークリフトから運転者が離れる場合にとる措置

安衛則第151条の11で、
①フォーク、ショベル等の荷役装置を最低降下位置に置く
②原動機を止め、かつ、停止の状態を保持するためのブレーキを確実にかける等の車両系荷役運搬機械等の逸走を防止する措置を講じる

また、通達で②の「ブレーキを確実にかける等の「等」には、くさび又はストッパーで止めることが含まれる」とある。

ドラッグショベルによる荷のつり上げ、法的に問題はないか

安衛則第164条第1項で車両系建設機械の主たる用途外使用を禁止していま す。しかし、同条2項において一定の条件下において、用途外使用か認められています。具体的には、
●荷のつり上げの作業を行う場合であって、次のいずれにも該当するとき
①作業の性質上やむをえないとき又は安全な作業の遂行上必要なとき
通達で、「車両系建設機械を用いる掘削作業の一環として土砂崩壊による危険を少なくするため、一時的に土止め用矢板、ヒューム管等のつり上げ作業を行う場合、作業箇所が狭あいなため、移動式クレーンを搬入して作業を行えば作業場所がより錯綜し、危険を増すと考えられる場合

②アーム、バケット等の作業装置に次のいずれにも該当するフック、シャックル等の金具 その他のつり上げ用の器具を取り付けて使用するとき
(1)負荷させる荷重に応じた十分な強度を有するものであること
(2)外れ止め装置が使用されていること等により当該器具からつり上げた荷が落下するおそれのないもの
(3)作業装置から外れるおそれのないものであること

●荷のつり上げの作業以外の作業を行う場合であって、労働者に危険を及ぼすおそれのないとき

掘削溝内での作業で土止め用機材を使用できるか

使用されている枠材が、土砂崩壊の対策として適切な「土止め支保工」にあたるか がポイントです。土止め支保工は、地質や掘削溝の深さ、工期などによって必要な強度は異なるでしょう。

したがって、まずは枠材の持つ強度を知ることです。その上で、実作業の前に地質などを調査して、強度的に安全が保てることがわかれば問題ありません。
また、枠材の設置後に作業員が溝内に入る手順がよい。

車両系建設機械の積み下ろし作業で転落防止措置のポイントは

安衛則第161条では、
①積み下ろしは平坦で堅固な場所でおこなうこと
②道板を使用するときは十分な長さ、幅及び強度を有する道板を用い、適当な勾配で確実に取り付けること
③盛土、仮設台等を使用するときは、十分な幅、強度及び勾配を確保すること
といった項目をあげています。

過去の災害事例をみても、所有する道板の大きさが足りないことを認識しながら無理に作業を進め転落するケースがある。

ドラックショベルを使う作業で誘導者の配置義務はあるのか

安衛則第157条2項及び通達により、路肩の防護措置(転倒転落防止のために
ガードレールの設置)がない、標識等で明示されていないといった、当該車両系建
設機械の転倒または転落により労働者に危険が生ずるおそれがあるときは誘導員
を選任し配置することが必要になる。

ただ、転落防止ということで考えると、安衛則第157条1項にて、
①当該車両系建設機械の運行経路について路肩の崩壊を防止すること
②地盤の不同沈下を防止すること
③必要な幅員を防止すること
といった措置を講じるよう規定しているので、まずは設備・作業環境面の対策が先
で、事前の策として誘導員の配置を考えるべきである。

なお、ドラックショベルと労働者の激突を避けるために安衛則第158条第1項で、
「車両系建設機械を用いて作業を行うときは、運転中の車両系建設機械に接触す
る事により労働者に危険が生じる恐れがある箇所に、労働者を立ち入らせてはな
らない。ただし、誘導員を配置し、その者に当該車両系建設機械を誘導させる時は
この限りではない」とあります。

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