建設現場でアスベスト(石綿)を吸って健康被害を負った作業員と遺族による訴訟で、最高裁第一小法廷は、国と建材メーカーの賠償責任を認めた。
責任を問える期間は、国の規制が不十分だった1975年から2004年(約30年間)と認定。法的な労働者でない「一人親方」についても「人体への危険は(法的な)労働者か否で変わらない」として国の責任を認めた。
国の一人親方に対する責任は、「快適な職場環境」を作る安全衛生法の趣旨をふまえ倍賞責任があるとした。
2019年までに8千人を超える建設労働者が石綿被害で労災認定されたが、裁判を起こすことをためらう人が多い。
今でも毎年1千人ほどが労災認定されており、半数を建設業が占める。