アーク溶接作業について、どんな粉じん対策を講ずるか
アーク溶接作業は、粉じん則第5条で「事業者は、特定粉じん作業以外の粉じん作業を行う屋内事業場については、当該粉じん作業に係る粉じんを減少させるため、全体換気装置による換気の実施又はこれと同等以上の措置を講じなければならない」とされています。
さて、具体的に講ずべき措置として、「全体換気装置」は、動力によって職場全体の空調を行うものです。この場合、必要能力は粉じんの発散程度、作業場の構造、作業者の配置・作業時間などにより様々ですから、適宜粉じんの濃度を測ることが肝要でしょう。
一方、この全体換気と同等以上の措置」が謳われていますが、この点について、各通達が「粉じん発生源の密封化、湿潤化、局所排気装置の設置等」(昭54・7・26 基発第382号)、「局所排気装置、プッシュプル型換気装置、ニューム吸引トーチの設置等」(平15・5・29 基発第0529004号)など示されています。
「発生源の密封化」は、粉じんを発生させないようにする者で、有効な対策であるが、機械・設備の大きな改善を伴う点で難しさがあります。「局所排気装置」は、粉じんの発生源ごとに設置するもので、一般に、作業点近くにフードを設けます。可搬型のものも出回っており、広く普及しています。特に排気の際に除じん処理することができるタイプが多く、環境保護に有効なものも少なくありません。
また、「プッシュプル型換気装置」は、吸気と送気を同時に行うシステムを備えた換気装置で、「湿潤化」は粉じんの発生源に散水するなどの措置を言います。
これらの中から、現場に合わせて適切な措置を講ずるべきでしょう。