一人親方労災保険に加入し副業・兼業するメリット

会社に雇用されている者(本業)が一人親方として請負・委託(副業)という形態

勤務先の従業員および一人親方のいずれかで負傷した場合、本業の勤務先の賃金と一人親方労災保険に加入する際に選択した給付基礎日額とを合算した額により労災保険から補償されます。

たとえば、本業の勤務先で給料月額20万円(給付基礎日額6,666円)と一人親方(給付基礎日額10,000円)とを合算した給付基礎日額16,666円相当により労災保険から補償されます。

しかし、副業の一人親方労災保険に未加入の場合、労災保険の補償は受けられません。

*本業の給付基礎日額は平均賃金による。

*就業規則で副業・兼業の有無・届出方法を確認し、会社所定の方法で副業・兼業の届出をする。

一人親方が複数の業種(建設と運送など)を請負・委託という形態

A請負のため建設の一人親方労災保険に加入し給付基礎日額10,000円、B委託のため運送の一人親方労災保険に加入し給付基礎日額10,000円のケースで負傷したときは、A請負及びB委託を合算した給付基礎日額20,000円が労災保険から補償されます。
この場合、A請負およびB委託のいずれで負傷した場合でも給付基礎日額20,000円が労災保険から補償されます。

以上から一人親方として副業・兼業で働く場合、労災保険の補償を受けるため一人親方団体に加入するとメリットがあります。

参照
(一人親方になると労災保険に加入義務?)

 

労災保険におけるケガ等が「治った」とは

労災保険におけるケガ等が「治った」の考え

一人親方の皆様が現場で被災した場合、労災保険で治療を受け治った「治癒(症状固定)」とは

労災保険における『治った』とは、健康状態を完全に回復した場合のほか、ケガ等の状態が安定し労災保険の治療を行っても、そのケガ等の状態が回復、改善ができなくなった状態をいう。
したがって、「ケガ等の症状が治療により一時的な回復がみられるに過ぎない場合」など症状が残存している場合であっても、医療効果が期待できないと判断される場合には、労災保険では「治癒」(症状固定)として療養(補償)給付を支給しないこととなっている。

療養(補償)給付とは、業務または通勤が原因で負傷し、または疾病にかかって療養を必要とする場合に支給される。
給付は傷病が治癒(症状固定)し、療養を必要としなくなるまで支給される。

障害(補償)給付とは、障害が障害等級表に掲げられている障害に該当すると認められる場合に、その程度において支給される現金給付をいう。
給付方法として、障害の重軽により年金給付と一時金給付の2通りがある。

再発とは

ケガ等がいったん症状固定と認められた後に再び発症し、次のいずれの要件も満たすときは『再発』として再び療養(補償)給付を受けることができます。
(1)症状の悪化が、当初の業務上または通勤による傷病と相当因果関係が認められると認められること

(2)症状固定のときの状態からみて、明らかに症状が悪化していること

(3)療養を行えば、その症状の改善ができると医学的に認められること

一人親方でケガをした場合、元請の証明は必要ですか

一人親方労災保険に加入しているため元請会社の証明は必要がない

一人親方の皆様は、被災した場合に備えて労災保険の特別加入制度に加入しています。
一人親方が万一労災事故ににより被災した場合にはご自身が加入しているの一人親方労災保険団体を通じて国から労災保険法にしたがい休業補償等を受けられます。

その際、元請に被災したことを報告します。
「報告=元請の労災保険をつかう。」ではありません。

元請からは、労災保険料の保険料が上がるため「労災保険は使いたくない」といわれている場合もあります。
そのため、「一人親方労災保険に加入しても使わないので意味がない。」とお考えの人も少なからずいます。

しかし、被災した場合には元請には事故報告し、加入者ご自身の一人親方労災保険で災害補償を受けます。
この際、医師の証明は必要ですが元請の証明は必要がありません。

被災した場合には一人親方労災保険組合団体に連絡をし、指示を仰いでください。

参考
(一人親方がケガをした場合、元請の労災保険が適用されるか)

一人親方がケガをした場合、元請の労災保険が適用されるか

一人親方様の労災保険適用

下請先の一人親方自身は、工事現場で労災事故を起こした場合に元請会社の労災保険の適用を受けることができません。
したがって、一人親方労災保険への特別加入をお勧めします。

元請会社の労災保険が適用されるのは従業員になります。
しかし、一人親方のなかには請負契約もなく、さらに雇用契約もない。
この場合、実態として一人親方か従業員なのかを判断することになります。

そのため、一人親方として仕事をしているのか、請負として仕事をしているのかを明確にする必要があります。
元請会社としてもこのあたりのを認識しているところが増えてきました。
特に、作業員名簿に外注先を記載することは避けるべきです。
下請会社には「再下請負通知書」を提出して頂くことが必要になります。
決して、外注先を自社の従業員と錯覚させてはなりません。
万が一にケガをした場合、「自社の従業員なのか一人親方なのか」が不明確となり混乱を生じることをあらかじめ認識しておく必要がある。
特に、元請会社は下請負人の従業員なのか外注先なのかは判断ができません。

さらに、請負った工事が公共工事の場合には、「労務費調査」があります。
労務費調査についても、外注先を従業員名簿に記載すると「賃金」が発生しないため元請および関係機関が戸惑うことになります。

精査のうえ、一人親方様および中小事業主様はご自分で労災保険に特別加入することを検討する必要があります。

参考
(一人親方でケガをした場合、元請の証明は必要ですか)

業務中に負傷した場合はどうする

病院・薬局で治療を受ける。その後当組合にご連絡ください。

一人親方労災保険に加入中に被災した場合は、病院にいき「業務中に建設現場で被災した労災事故であること」をお伝えし、治療を受けてください。

その後、当組合へご連絡ください。
当組合では、被災した人の負傷の場所・日時・状況・原因等を聞き取り調査し必要な「労災保険請求書」を作成いたします。
この「労災保険請求書」の用紙を一人親方様のご自宅へ郵送します。
郵送で届けられた「労災請求申請書」にご本人の署名・押印をして病院・薬局・労基署へご提出お願いいたします。

なお、「労災保険請求申請書」の記載の仕方等で疑問がある場合、当組合へご連絡ください。
記載例など記載内容について親切にお教えいたします。
安心できるサポートを致しますので一人で悩まないでご相談下さい。

労災保険補償の対象となる範囲は

労災保険の保険給は「業務災害」「通勤災害」があります

一人親方の皆様が業務災害又は通勤災害を被った場合に労災保険から給付がおこなわれます。

業務災害の範囲として、

・請負契約に直接必要な行為を行う場合
・請負工事現場における作業及びこれに直接附帯する行為を行う場合
・請負契約に基づくものであることが明らかな作業を自家内作業場において行う場合
・請負工事に係わる機械及び製品を運搬する作業及びこれに直接附帯する行為を行う場合等

通勤災害

一般の労働者と同様に取り扱われます。
「通勤」とは、就業に関し、①住居と就業の場所との間の往復、②就業の場所から他の就業の場所への移動、③赴任先住居と帰省先住居との移動を、合理的な経路及び方法によりおこなうことをいい、業務の性質を有するものを除く。

参照
(保険給付の手続き)

給付基礎日額で労災保険の補償内容に違いはあるか

給付基礎日額により労災保険の補償内容が変わります

一人親方の皆様が労災保険から補償を受けるには「賃金」という概念が必要になります。
一人親方の皆様は従業員でないため賃金という概念がないため「給付基礎日額」を賃金とみなします。
たとえば、一人親方で年収365万円の人は365万円を12か月で割ると1日10,000円となります。
この10,000円を給付基礎日額(賃金)とする。
一般的には、このように考えます。
実際には、民間保険加入を踏まえ、給付基礎日額3,500円から25,000円(16段階)から選択していただきます。

一人親方の給付基礎日額は、昭和58年3月24日付け基発第150号(平成23年3月25日改正)等に基づき決定しているところですが、近時、同種の労働者の平均的な所得水準から判断して高額な給付基礎日額を希望する事案等制度の適正運用上望ましくない事案が生じているため、給付基礎日額18,000円以上を申請する一人親方(建設の事業)に対して本人の所得水準を証明することができる資料として、
・確定申告書
・所得(課税)証明書
・前1年間の工事請負書等の工事関係資料等
の提出をお願いいたします。

所得額(売上-経費)≧ 保険料算定基礎額 を確認いたします。

給付基礎日額の変更は毎年4月からです。

さて、労災保険の補償額の計算には「給付基礎日額」を用います。
給付基礎日額は「補償内容」と連動します。
給付基礎日額が低ければ労災保険から受給できる補償も少なく、逆に、給付基礎日額が高ければ受給できる補償も多くなります。

病院及び薬局での必要な治療費は無料です。
この治療費は給付基礎日額によって違いはありません。
しかし、休業、障害、死亡等の場合には給付基礎日額の高低により労災保険からの補償内容に違いがあります。

なお、休業補償は「全部労務不能」が条件です。
全部労働不能とは、入院中または自宅就床加療中もしくは通院加療中であって、補償の対象とされている範囲(業務遂行が認められる範囲)の業務または作業ができない状態をいう。
もし、一部でも労働できる状態ですと休業補償が受給できません。
ご注意ください。
現在加入している民間保険の内容を加味して適正な給付基礎日額を選択していただくことが肝要です。

参照

業務災害で休業 給付基礎日額3,500円加入 30日間休業した場合
3,500×80%×30日=84,000円

業務災害で休業 給付基礎日額10,000円加入 30日間休業した場合
10,000×80%×30日=240,000円

この場合の差は、30日で156,000円です。

参考
(給付基礎日額・保険料)

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