長時間の過重労働の評価にあたり、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化

「発症前1ヵ月間におおむね100時間又は発症前2ヵ月間ないし6ヵ月間にわたって、1ヵ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合」について業務と疾患発症との関係が強いと評価されます。
改正では、先に示す水準の長時間労働に至らなかっとしても、これに近い時間外労働を行った場合には「労働時間以外の負荷要因」を考慮し、業務と発症との関係が強いと評価できるようになりました。

長期間の過重業務、短期間の過重業務の労働時間以外の負荷要因の見直し

〇 労働時間以外の負荷業務・拘束時間の長い勤務
・拘束時間の長い勤務休日の少ない連続勤務
・勤務間インターバル(終業から始業までの時間)の短い勤務
・深夜や早朝などの不規則な勤務
・頻繁な出張
・海外への移動
・心理的負荷を伴う業務
 改正前の「精神的緊張を伴う業務」の内容を拡充
・身体的負荷を伴う業務
 重量物の運搬作業、人力での掘削作業等の身体的負荷が大きい作業の種類、作業強度、作業量、作業時間、
 歩行や立位を伴う状況等のほか、日常業務と質的に異なる業務の場合はその程度(事務職から肉体労働など)

〇 短期間の過重業務と発症との関連性が強いと判断できる場合
・発症直前から前日までの間に特に過度の長時間労働が認められる
・発症前おおむね1週間継続して、深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行う等過度の長時間労働が認められる

〇 異常な出来事の業務と発症との関連性が強いと判断できる場合
・業務に関連した重大な人身事故や重大事故に直接関与した場合
・事故の発生に伴って著しい身体的、精神的負荷のかかる救助活動や事故処理に携わった
・過重な営業ノルマ、人間関係などが招くストレス、ハラスメント行為、安全管理上の問題
・人力での除雪作業
・著しく暑熱な作業環境下で水分補給が阻害されている状態や著しく寒冷な作業環境下での作業、温度差のある場所 への頻繁な出入りを行った場合

今後は、総労働時間以外の要因も考慮される。事業主は複合的な視点で労働者に与える負荷を判断し、過重な負荷を回避する必要がある。

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