腰痛予防対策は通達(平・9・6 基発第547号)が出ていますので、そこからいくつかポイントを挙げてみます。
①自動化、省力化
・適切な自動装置、台車の使用等により人力の負担を軽減することを原則とする。
②荷姿の改善、重量の明示等・荷物は、かさばらないようにし、かつ適切な材料で、できるだけ確実に把握することができる手段を講じて、取り扱いを容易にする。
・できるだけ取り扱うものの重量を明示する。
③作業姿勢、動作
・床面等から荷物を持ち上げるときは片足を少し前に出し、膝を曲げ、腰を十分に降ろして当該荷物をかかえて、膝を伸ばすことによって立ち上がる。
・できるだけ身体を対象物に近づけ、重心を低くするような姿勢をとる。
・腰をかがめて行う作業を排除するため、適切な高さの作業台を利用する。
・荷物を持った場合は、背を伸ばした状態で腰部のひねりが少なくなるようにする。
④取扱時間
・取り扱う物の重量、取り扱う頻度、運搬距離、運搬速度等作業の実態に応じ、小休止・休息をとる。他の軽作業と組み合わせる等により、重量物取扱時間を軽減する。

次に『重量物の取り扱い重量』については、
☆満18歳以上の男子労働者が人力のみにより取り扱う重量は55kg以下にする。また、当該男子労働者が、常時、人力のみにより取 り扱う場合の重量は、当該労働者の体重の概ね40%以下となるように努める。
☆上記の重量を超える重量物を取り扱わせる場合は、2人以上で行わせるように努め、この場合、それぞれの労働者に重量が均一にか かるようにする。

以上のように、できるだけ重量物運搬作業を機械設備などによりなくしていき、それが困難な場合は取り扱う重量物の重量が前述の目安を越えないようにする。その上で、正しい荷の持ち上げ方を徹底する事が必要である。

「作業方法の安全対策」に関するよくある質問